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第2章 関係

「えっと、噂では恐いって言われてますけど
長谷川君は優しい人だと思います…」

「てか、なにを根拠に言ってんだ? 俺が何時アンタに優しくした?」

聞かれ、私は軽く下を向き顔を赤くした。

「えっと、私って地味で、目立たないし、友達少ないですし…
だから、いまこうして話をしてくれている長谷川君は優しいのです」

「それだけでか?」

「はい、だけです…」

そう言った私から離れた長谷川、何か考えているように腕を前に組んでいた。それを見ながら、私は思い出していた。

一年前――

6月の梅雨時、どしゃ降りの雨の日でした。

いつものように下校していたとき、ふと雨の音に混ざって“ニャ―”っと小さな声が路地の裏から聴こえました。

近付き見てみると、ダンボールの中に三匹の子猫


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