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第3章 影の存在と私達

中垣は肩を竦めて、話し出す。

「森永は知らね―か? 氷の女王って噂の奴を…」

「初耳ですが、その方が何か?」

と分からず聞くと、盛大に吐いた呆れた溜め息

「やっぱな…
分かってはいたぞ、いたけどな!」

何故か怒鳴られた。ぽかーんとする私に、中垣は話を続けていた。

「氷の女王ってのは、その名の通り、血も涙も無い危ない奴なんだよ…
手段なんか選ばず、狙った奴を病院送りにしたりな…
んな、危ない奴が今一番のターゲットとしてお前を狙ってるみたいなんだよ…」

「え!? え――っ!」

驚く私に、中垣は続ける。

「理由は一つだ、最近のお前と長谷川との仲を良く思ってね―らしくてな。女王には、忠実な犬がいんだよ、そいつらがまた、質が悪い上に野蛮な奴等だ。今ならまだ、間に合うかも知れね―し、危ない目に合いたくなけりゃあ、長谷川から離れろ」

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