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第3章 影の存在と私達

人嫌いにしては、長谷川の様子が明らかに変で顔色まで変わるくらい

何か辛い事でもあったのだろうか。

ほんとは、聞いちゃいけないのも分かっていたのに私は聞かずに要られなかった。

長谷川は無言で

私達の間に見えない固い壁があるようだ

「ごめんなさい……」

私は謝る

「謝んな、怒ってる訳じゃないし……」

長谷川の視線が私を見たが、それを逸らし下を向く。

凄く悲しくなった泣きそうだった。

「睦月?」

呼ばれた名前

「は、はい……」

ゆっくり顔を上げると

困ったように笑う長谷川と目が合った。

「なぁ、俺の事触ってみたいか」

ええ、確かに触りたくなる時も有ります、けど今は違うのに……

どうして?

心の中で思っていた私に長谷川は、布団の中から手を出し私に伸ばした。

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