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第1章 私と彼

邪魔と言いたげな瞳に、私は更に慌てていた。

「あ、ごめんなさい…」

言ってすぐに後ろに下がった。他人から見たら、今の私は酷くテンパっていただろう。

後ろ足の踵が教壇の出っぱりに当り、派手に尻餅を着いていた。

ビックリした私の耳に、吹き出した笑い声

「ぷっ、あははは―っ! 何してんのアンタ」

笑われてます?私…

恥ずかしくて彼の顔が見れない。
俯く私に気付いたのか、しゃがみ顔を覗き込まれた。

目と目合うと、彼は笑った。

「トマトみたいに赤いな、大丈夫?」

「はい、お尻が痛いだけです…」

「だろうな、派手に転けてたからな」




 

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