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第4章 固い壁

雨が強く降るなか
長谷川と中垣は、学校の正面玄関に居た。

中垣は長谷川を見て言った。

「どうする、鍵がなけりゃ入れなくね―?」

「入るしかないだろ」

と長谷川が言いながら、正面玄関から離れて別の方へと歩き出す。中垣もそれに続いて追いかけた。

ピタリと足を止めた、教室の窓
そこに、向かい拳を振った。

「――ちょっ!」

中垣が驚きの声を出していたが、時すでに遅し音を出し割れた窓

長谷川は悪びれた様子も見せず平然とし、窓の鍵を開けた。

「行くぞ」

窓から中に入った長谷川を、唖然として見ていたが、ハッと我に返り呆れた顔で言った。

「お前には常識ってもんがないのか!」

「今は時間が惜しい、早くしろ」

そう言い、さっさと行こうとする後を中垣は渋々着いて行った。

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