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第5章 離したくない手

「一人で突っ走るな! 必ず俺に相談しろ、後は……」

そう言い、長谷川のズイッと顔が近付く。鼻の頭が軽く触れ、私は身体が硬直しながら見つめていた。



距離が



顔が……



息を呑んだ



―――――その時だ。



「お―い! 森永起きたか―?」


ガチャと開けられた扉

私達を見て驚く顔、それもそうだ。
だって、キスを迫られている状況で
あって……

「は、中垣君!?
――――どうして、何で!?」

私は慌てて、長谷川の顔を手で押し退けていた。

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