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オレンジ

第7章 蠢く策略

大人びた顔付き、知的な感じで
背丈も長谷川と同じくらいあり
だが、私には彼が少し恐くて近寄りがたい。
丁寧な言葉の裏の刺々しさが妙に恐くて、仕方なかった。

金剛が離れて行き、少し肩の力が抜けてホッと胸を撫でていると長谷川と目が合った。
でも、すぐに逸らされた

それが少し気掛かりで、私が声を出そうとしたが

「――長谷川君!」

可憐な声
私の横を先に駆け寄った野原

ブロンドの髪がキラキラと靡き『大丈夫?』と彼に言っていて

私は俯き、中垣の所に戻っていた。

ズキズキと痛む胸が苦しくて、どうしたらいいのか分からなくなった。

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