テキストサイズ

オレンジ

第8章 狂い出す歯車

無意識に私は、また律を避けていた。

その夜の事だ

私は野原に話があるからっと言われて
部屋の外にいた。

「あのね、私ね……」

と野原が頬を赤らめて言おうとする言葉を、私は直感で嫌だと思った。

でも、止められなくて

「前から長谷川君が好きなの!!
それでね……」

続ける野原に、私は何も言えなくて

「睦月ちゃんも好きなの?」

「わ、私は……」

好きだと言いたいのに、どうしてなんだろ
言えなくて……

言葉を詰まらせる私を野原は見ながら言った。

「まぁ、言えないなら、それでもいいよ。
でも私は本気だから」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ