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拘束【糸繰編】

第9章 ピオ

メイファが帰ってきたので、私は周りに向けていた目線を詰所にうつした。

そして、私は、メイファにあえて、意地悪な質問をしてみた。

「何かあった?」

分かりきったことだが、メイファは、「特に何もないよ。」なんて言葉を返してきた。

そこで、私は、

「あっ、そうなんだね。そうそう、何か女の子が詰所にいたんだけど、体調がすごく悪そうなのだけど大丈夫なのかな?」

と、ふってみた。 メイファは、お茶のこを濁しながら、大丈夫だと思うよと口数を少なげに返事をした。

私は、ちょっと意地悪しすぎたかなと反省していたが、相部屋に帰るようになった頃、メイファは、「ピオは、きっと大丈夫…。」と自分にいいきかせるようにつぶやいた。

やっぱり、あの女の子は、ピオだったのだね…。

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