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みえない鎖

第10章 一歩

「なら明日の朝までは、絶対放す気はねえから」

何の宣言?
アキの目が甘いのと何か関係があるの?

昨日までの雰囲気と全然違うアキ。昨日まではどこか突き放した感じがあったのに・・・

それが全くない上、逆に引き寄せようとする引力が働いているよう・・・?

熱でもある?

ごそごそと動いて何とか左腕を自由にすると、アキの額に手のひらを置いてみる。

「・・・熱はないかな」

「ねえよ」

額に手を当てても嫌がる様子はない。そしてじっと私を私を見つめている。

・・・無駄に甘い。
ダダ漏れな感じで。

甘い雰囲気がまとわりついて離れないこの状況は、嬉しくないといえは嘘になるけど、

戸惑いの方が大きい・・・かな。

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