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アリスは処女

第2章 パーティー



「お兄様もホールに行って
楽しんで来て下さい」

「おう!じゃあ後でな!」


チリノお兄様は茶色の綺麗な髪を
揺らしながら、ホールへと向かった。


「にしても、たくさん人がいるな…。
クリッジったら、
どれだけ招待したのよ」

その時、
トントンと、誰かに肩を叩かれた。


「はい?」

「アリスお嬢様ですか?」

「え、えぇ…そうですけど」


私に声を掛けたのは
執事服を着た、中年男性だった。


「お父様からお手紙を
お預かりになりました。
クリッジ様と見るようにと」

「お父様が……?」

「はい。仕事の都合上、
パーティーに行けないからと
お手紙を書いたそうです」

「そうなんですか…」


お父様は私が小さい頃から
仕事ばかりだった。

はっきり言って、
あまり顔を覚えていない。


「返事も書いてあげて下さいね」

「分かりました。
わざわざ、ありがとうございます」



私は手紙をメイドのユリに預け
ホールへと向かった。

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