
君がくれたぬくもり
第14章 ヤキモチ
相変わらず電気もつけずにベッドに転がっている。
「岳、呼んでんのに返事くらいしなさいよ。」
「………うるせぇな…」
「岳?」
なんか様子がおかしい。
機嫌悪いとは聞いてたけど…
なんか今日はめちゃくちゃキレてない?
陽菜は岳のベッドに座り、なかなか顔を見せない岳の頭を撫でた。
「どしたの…?」
「……。」
「…言えないことなの?
んじゃあえて聞かない。
陽菜、みんなのところに戻るね。」
「………行くな。」
え?
岳の手が陽菜の手首を掴み、再びベッドに座らされる。
岳はむっくと起き上がり、陽菜を抱き寄せた。
「ちょ…何なの?言いたいことあるなら言ってよ。」
「……あの車の男…誰だ…」
車の男…?
誰……
あっ!
もしかして…
「西田さん?」
「誰だそいつ…」
「バイトのチーフの西田輝雄さん。陽菜の指導係なの。
優しいし、いい人だよ?」
でも何で岳がこんなキレてんだろ?
あ、まさか…
