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「相当男癖が悪い女でね…しかもワガママ！
岳兄のこと振り回して、お金も貢がせて、散々遊んだ挙げ句高校卒業してすぐに他の男と駆け落ちしたのよ！？」


「………。」




さっき会った人がそんな人だったなんて信じられない…


だってすごくいい人そうだったのに…。



見た目じゃ人は判断できないんだ。




「でも岳兄…あんな女にマジで惚れてた…。別れた後、女遊びはしてたけど彼女は作らなかったから…。」


「そうなんだ…。」


「陽菜には酷だけど、岳兄、まだマリナのこと忘れてないと思う。好きかはわかんないけど。

…マリナも、会いに来たってことは岳を狙ってるよ。」


「そんな…」




じゃあ陽菜はどうなるの…？



また涙が溢れてきた。




「もうやだ…
もうやだよ………」


「陽菜……？」


「陽菜ね、ここに来る前、彼氏がいたの。陽菜の全部が大好きって言ってくれた彼氏が…。

でも裏切られたんだ…。

もう…大好きな人に裏切られるのは嫌だよ……。」


「陽菜……っ」




怜香は陽菜を抱きしめてくれた。



「大丈夫、大丈夫だから…」



怜香は優しくそう言ってくれるが、


涙が止まらない。




そのままつかれるまで泣きつづけた。