
君がくれたぬくもり
第27章 オムライス
―――――……
「…な、ひな?」
「……。」
「陽ー菜っ!!」
「えっ!?」
輝雄の呼ぶ声にハッと我に返る。
いけない…
完全に上の空だった…。
「な、なぁに?」
「映画、終わった。」
「え?!」
気がつくと暗かった映画館は少しだけ明るくなっていて、
周りは出口に向かう人々…
そうだった。
今は輝雄とデート中だった。
陽菜が見たいって言ってた映画なのに……
結局ろくに見ていない…。
あわあわとする陽菜に、輝雄はクスッと笑った。
「まさか陽菜、寝てたの?」
「えっ、あー…、ぅん…
そんなとこかも……
あはは……(苦笑)」
「陽菜らしいな(笑)
まぁ、またDVD借りて見ればいいよ。」
輝雄は爽やかに笑うと、「行こ?」と陽菜の手を握った。
「うん…///」
ごめんね輝雄…
心の中で何度も頭を下げた。
