
君がくれたぬくもり
第29章 遅すぎた想い
―――ガチャ
「ただい…ま…」
気まずいと思いながらリビングの扉を開けると
そこにはいつものメンバーがいた。
「え、陽菜ちん?!!」
「久しぶりだな。」
まずとびきりのキラースマイルで飛び出してきたのは光くん。
大和さんは何故かうどんを啜りながらのお出迎え。
そしてキッチンからは怜香が出てきた。
「陽菜……!!」
「怜香……ただいま…。」
あれ以来まともに話してなかったため、
罪悪感と気まずさで俯いてしまう。
しかし怜香は陽菜の横にあるボストンバッグを見た。
そして飛びついてくる。
「おかえり!!」
「え……」
予想外の反応に陽菜は戸惑った。
てっきり怒鳴られると思っていたから…。
「…もう帰ってこないと思ったよぉ……」
「心配かけてごめんね…」
「ほんとだよ……バカ!」
二人抱き合いながら泣いた。
光くんと大和さんはそんな陽菜たちを微笑ましく眺めていたのであった。
