
君がくれたぬくもり
第29章 遅すぎた想い
陽菜がいない間に何があったの?
それでも気になる陽菜は、怜香の部屋に顔を出した。
―――ガチャ
「怜香、入っていい?」
「いいよー☆」
部屋に入ると、怜香は洗濯物にアイロンをかけていた。
陽菜はカーペットの上に座る。
そして例の質問を投げかけた。
「ねぇ、岳は?」
「……!!」
ぴたりとアイロンを持つ手が止まる。
やっぱり何か隠してる!!
「ねぇ怜香、何かあったの?
岳はどこにいるの?」
陽菜は早く岳に会いたかった。
もしまだ岳が自分を待っているなら…
会って早く抱きしめてほしいの。
しつこい陽菜に、怜香はため息をついた。
「ねぇ、陽菜?
まだ岳兄が好きなの?
だから戻ってきたの?」
「当たり前じゃない……」
「なら…もう岳兄のことは諦めた方がいいよ。」
「えっ………」
諦める……?
怜香、何言ってるの?
