
君がくれたぬくもり
第33章 ドキドキ
それから陽菜はダイエットに励んだ。
主に食事制限をし、バイト先までは歩きで行く。
お酒、ダメ。
おやつ、ダメ。
炭水化物、ダメ。
そう自分に言い聞かせて頑張った。
たとえもうかなわない恋だとしても、少しでもかわいく見られたいから…。
そして前日。
ドキドキしながら体重計に足を乗せる。
荒ぶるように左右に動く針…
陽菜は乗せている片足にグッと力を入れ、もう片方の足を床から離した。
初日は51キロだった。
どうか……
どうか!!!!
ギュッと閉じていた目を開き、針の指すメモリを見る。
「え……?」
体重計を見てポカンとする。
49キロ……
嘘!!!!
二キロ痩せたぁ!!!!
「よっしゃ♪」
鏡の前でガッツポーズをする。
気のせいかもしれないが、お腹も若干へこんだ気がするし、
これで水着が着れる!!!
「キャー♪」
ベッドに勢いよくダイブし、足をバタバタ。
明日の海が待ち遠しくなった。
