
君がくれたぬくもり
第39章 彼女は私!
――――――……
しばらくして目を覚ますと、何やら騒がしい声がした。
みんな帰ってきたのかな?
「んんーー…」
布団の中で伸びをしてふと見ると、岳がいない。
岳…?
周りを見渡し、岳を探す。
「岳、岳……?」
怖くなった。
さっきの出来事は夢だったのかもって…。
―――ガチャ
その時、部屋のドアが開いて安心した。
「……お、陽菜起きたか。」
「岳~…」
早く抱きしめて、と
ベッドの中で岳に手を伸ばす。
「何泣いてんだよ。」
「岳がいなくなるから……夢かと思ったぁー…」
子供みたいに泣きじゃくる陽菜を岳はフッと鼻で笑うと
陽菜をベッドの奥に押し退け、隣にゴロンと寝転ぶ。
陽菜は岳の胸に顔を埋めた。
岳は自分の胸にすっぽりと埋まる陽菜を愛おしく思い、頭を撫でた。
