
君がくれたぬくもり
第39章 彼女は私!
それでもまだ不安げな顔をする陽菜に
岳は「ちょっと待ってろ」と言うと部屋を出ていく。
しばらくして戻ってくると、陽菜を自分と向き合うような形にベッドに座らせた。
そして陽菜の左手をとる。
「次は絶対外すなよ……?」
「え?…んっ………」
不意に塞がれた唇に一瞬の柔らかな感触と…
左手にひんやりと冷たい感触が伝わる。
―――――……!!!!
その冷たい感触の正体に陽菜は泣いた。
また………
戻ってきたんだね……?
「指輪……」
「俺にもはめろ。」
自分の指にある指輪にうっとりとしていると、岳がもう一つ指輪を出してきた。
岳の指輪だ。
陽菜はそれを受け取り、岳の左手の薬指にはめる。
岳は微笑して、キスをした。
