
君がくれたぬくもり
第43章 汚れ
まさかこんな形で巡り会うなんて思いもしなかった。
よく見ればそっくりだ。
「もう五年も会ってないから、すっかり変わってるだろうね…。」
「二人ともすごく優しいですよ。怜香は明るいし、岳は常に仏頂面だけど1番陽菜を愛してくれます。
居場所がなくなった陽菜を、二人とも優しく抱きしめてくれて……。」
幸子さんはウンウンと頷きながら泣いた。
泣いた顔、怜香とおんなじだ…。
「会いたいわ…。
きっと許してくれないだろうけどね…?」
「そんなことないです。
幸子さんに罪はないです。」
「陽菜は優しいのね。
あなたみたいな彼女がいて…岳は幸せだわ。」
二人はお互いの顔を見合わせ、照れたように微笑した。
不安だった気持ちが少しだけ和らいだ。
