
君がくれたぬくもり
第43章 汚れ
ピッ
『あ、岳ちゃん?』
「お前…陽菜のこと知ってんのか?」
『え?うふふふふ…』
茶化すような笑いに腹が立つ。
「言え。」
『会ってくれたら言おうかな!場所はあたしの家!早く来てね。』
―――ブチッ
一方的に切られる電話。
人をからかうような態度に腹が立ったが、
こいつは陽菜のことを知っている…。
そう思うといつの間にか立ち上がっていた。
「あ、岳兄どこ行くの!」
「すぐ戻る。」
――バタン!!
心配する怜香を余所に、ドアを勢いよく閉め外に出る。
ブォンブォン!!
久しく乗っていなかったバイクに跨がり、
狭い路地を猛スピードで走った。
