
君がくれたぬくもり
第50章 side千夏
え、ずるい?
でもね、
あたしは今までそうやっていろんなものを手に入れてきたんだ。
例えば
友達、とか…
だからずるいとは思わない。
あたしは何がなんでも彼が欲しいの。
そのためには手段を選ばないんだ。
―――――――………
それから数ヶ月、
彼は言った。
「そんなに言うなら…付き合ってみるか?」
あのね
涙が出るくらい嬉しかったんだ。
その日、あたしは彼にバージンを捧げた。
…でも彼はあたしに興味なんてなかったと思う。
ひとつになった時、涙を流していたから……
その涙は誰の為に流しているんだろう…?
でも、それでもいいの。
あたしはあなたのそばにいるだけで幸せだから…
