
君がくれたぬくもり
第50章 side千夏
何だか悔しかった。
あたしと付き合ってるのに…
岳ちゃんの心はその子に奪われてる。
「可愛い元カノさんだったんだね……」
「まぁもうどうでもいいんだけどな?」
岳ちゃんはそう言って
あたしの頭を優しく撫でた。
――――――………
―――――――………
それから数ヶ月…
季節は夏への変わり、
岳ちゃんと付き合って初めての夏が来た。
あれ以来、あたしが誘わなくてもキスをしてくれるし
岳ちゃんとの仲は確実に深まっていた。
そしてある日、あたしは見てしまった。
仕事で疲れて眠ってしまった岳ちゃんの脇に置いてあった
……岳ちゃんの携帯を。
まだ少しだけ疑っていたあたし。
好奇心で携帯を開いた。
パカッと音がしたと思えば
パタリと音がする。
「………っ……」
見なきゃよかった…
