
君がくれたぬくもり
第11章 心カラノ友ダチ
結局日が暮れるまでずっとここにいた。
空がオレンジ色から深い青に変わる頃、
岳が「帰るか」と言った。
バイクに乗り20分、
家に着いた。
――――ガラガラガラ
岳が玄関の戸を開けると、1番に飛び出して来たのは怜香だった。
「陽菜ぁ!!」
「……怜香…」
怜香に抱きしめられる。
「心配したんだよ?
…ごめんねぇ…っ…」
そう言った怜香の目は赤く腫れていて、
頬には泣いた跡がついていた。
「陽菜…あたしちゃんと陽菜と話したい…。このままは嫌。
だって陽菜とは親友でいたいもん!!」
「うん……陽菜も……」
怜香と陽菜は縁側に座った。
最初に発言したのは怜香。
「あたし…陽菜が来るずっと前から好きだったんだ。
でもあたし、年下じゃん?
それに岳の妹だから結構怖がられてたの。岳、喧嘩強いし。
和哉はあたしのこと恋愛対象として見てくれなかった。」
あはは、と笑う怜香。
陽菜は黙って頷く。
