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夢叶う日まで

第2章 戸惑い

目が合わない。
逸らされる。
いつもなら話しかけてくるのに、授業終わりにも放っておかれた。

「用ナシ、かな」

自嘲する。
願書はもう提出してしまったのだし、あたしに話しかける理由はない。
それでも。

サトシが笑ってるから、目はあなたを追いかけてるんだよ。
どうして、隣で一緒に笑ってるのがあたしじゃないの?

急に、秀樹や良平たちが妬ましくなる。
あたしが輪から外れたことにも気付かずに、またふざけて遊んでいる。

あたしは荷物をまとめて寮に戻った。
夕食の配膳は始まっていたけど、とても食べる気分じゃなかった。

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