夢叶う日まで
第1章 集まった21人
サトシはあたしと同じように、中学の頃からの夢を捨てられずにここにいる。
消防士
それがサトシの夢だった。
7月に入ってから、少しずつ願書の受付が始まっていて、サトシは今願書の志望動機で苦戦している。
授業が終わってから、唸りながら下書きをしているのを見かけて、その時にアドバイスをしたのが、妙にしっくりきたらしい。
それからあたしは、サトシの志望動機の添削をやるようになった。
「ここなんだけどさー」
今日も、サトシは授業が終わると同時にあたしの席までやって来た。
「ここ、口語になってるから文語に直して。あと、漢字違う」
「げ」
あたしは根っからの文系だから、これくらいは朝飯前なんだけど。
「アニキー、今週末皆でビアガーデンいこうよ!」
秀樹がサトシのくびにまとわりつく。
「だー!分かったから離れろ。俺は忙しい!」
「姉さんも!」
「分かったって。言っとくけど、あたし強いからね?あたしより早く潰れたら会計させるから」
えー!
とかなんとか騒いでいる秀樹を、亮二と良平が引きずって出ていく。
「あのこ、何しにここに来たの」
おどけて言うと、サトシが吹き出した。
消防士
それがサトシの夢だった。
7月に入ってから、少しずつ願書の受付が始まっていて、サトシは今願書の志望動機で苦戦している。
授業が終わってから、唸りながら下書きをしているのを見かけて、その時にアドバイスをしたのが、妙にしっくりきたらしい。
それからあたしは、サトシの志望動機の添削をやるようになった。
「ここなんだけどさー」
今日も、サトシは授業が終わると同時にあたしの席までやって来た。
「ここ、口語になってるから文語に直して。あと、漢字違う」
「げ」
あたしは根っからの文系だから、これくらいは朝飯前なんだけど。
「アニキー、今週末皆でビアガーデンいこうよ!」
秀樹がサトシのくびにまとわりつく。
「だー!分かったから離れろ。俺は忙しい!」
「姉さんも!」
「分かったって。言っとくけど、あたし強いからね?あたしより早く潰れたら会計させるから」
えー!
とかなんとか騒いでいる秀樹を、亮二と良平が引きずって出ていく。
「あのこ、何しにここに来たの」
おどけて言うと、サトシが吹き出した。