御曹司と護衛女子
第29章 another true
結城は自分が知らず知らずの
うちに親友の梨子を傷つけた
ことに気づき
後悔をして涙を流していた
そして梨子は
結城の近くに寄り添い
優しくふんわりと
柔らかく
背中から結城を抱き締めた
『バカッ……!!!
何であんたが泣くのよ………
ウッ、
ウウッ…………
謝らなきゃいけないのは
こっちなのに………
今思えば私の心は
ホントに………
ホントに……
結城のいうとおり
狭かったわっ!!』
『ウッ、ウウッ……
で、でもっ!!』
結城は泣き止む様子もなく
時分が犯した罪悪感に
のみ込まれていた