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恋愛トラウマ。

第9章 戸惑い。




翔也が、あたしに手を差しのべる。

その手を、あたしは振り払った。

優しくて、温かみのあるその手を。


そして、





「ご、ごめ…ん、なさい…もっと…いい人いるよ。」





最後の文字を言い終わる頃には、あたしは翔也に背を向けて、走り去っていた。



違う。
違う…!

本当は、「あたしもだよ。」って言いたいのに。

過去のトラウマの憎しみのほうが勝っちゃって、翔也も自分自身も傷つけてしまった。



最悪だ…あたし。

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