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第3章 case2 【貴方ガ欲シイ】 1

「紗香の部屋はちなみにここ」

って要らない情報まで教えてくれる。彼女の部屋、と聞いて、ドキンッと心臓が跳ねあがった。

「・・・い、いいから。もう帰りたい」

あーもー怖い怖い怖すぎる。あの般若の顔を何度も見たいとは思わない。

「そう?」

対して飄々な斎。ムカつくなーこの余裕さが。

って歩きながら思ってるうちに、とあるドアを斎が開き、視界に捉えた部屋はいつも寝室・・・って!!

「ち、近いっ」

佐倉紗香の部屋が近い事に驚く。この屋敷はドーナツみたいな形をしてるから、一周して戻って気が付いた。

「近すぎるよ。佐倉さん、この部屋来ないよね?」

「絢乃がここにいることは知らないし、何かあっても鍵がある。部屋に入られる心配はない」

そう言うけど、会いたくない。女の嫉妬は怖いから。

「斎が欲しいならちゃんとよそ見しない様にして欲しかったっての」

斎が近くにいない事を確認した後、呟く独り言。そうすれば、私がここにいるという事も無かっただろうに・・・。

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