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第19章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 1

部屋に入り、ソファに並んで座る。

当然と言った感じで、腰に手を回し、文字通りべったりの斎。距離が近い近い近すぎる。

「今も昔も、均と俺の立場は変わっていない。時に利用し合うが、基本は敵だ」

ただ、話す内容は甘いものじゃないけど。

「でも、屋敷にいるのは・・・」

少しは信用しているから、じゃないの?

「持ちつ持たれつで、ずるずると、が正解だな。信用信頼という点では、的場や永依の方がある。

忌々しいアイツらの狙いは常に俺。だが、今回は綺乃も他人事じゃない。狙われている点では。

普通なら、均はさっさと追い出すに限る。本質は道化師だ。何時寝返るか、解らない。

ただ、調べさせた結果。1つだけブレてない点があった。均にも」

「何?」

ブレるブレないではなくて、のらりくらり、といった方が正しい気がする。根なし草。

その中の例外って・・・。

「藤沢絢乃、に関しては、一切ブレていない。お前の父親と仲が良いからか、お前のマイナス点は一切一族側には知られていなかった。今までは」

「え?」

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