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第20章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 2

と言っても、孫を心配して、というよりは、敵に捕まるなど嘆かわしい、という方だろう。昔っからそういう婆だ。

「というか、お前の話は信憑性、ねぇし」

大体『私中心に世界は回ってるの!!』と豪語する女。

都合の良い嘘をサラリと吐き、都合の悪い本当は、都合の良い事にすり替える。

「信憑性なんてどーでも良いでしょぉ~?」

微笑む姿は庇護欲をそそる・・・らしい。コンナ女のドコがいいのか、永久に解らない。解りたくもねぇな。

「ま、話半分だな」

「待ってよぉ。お話ししてあげたんだからぁ・・・」

「何かクレって?」

「藤沢絢乃」

「お前になんかにやらねえ」

シッシッと手で追い払う仕草。そして話は済んだ、と勝手に打ち切り、部屋を勝手に出る。

ドアが閉まる直前「諦めないもーん」という声が耳に届いたが、無視を決め込んだ。

---均side 終了---

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