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第20章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 2

「殺、す?」

「まさか、サクラの話が本当にうまくいくと思って無いわよね?

あの強大な力、簡単に手放す筈は絶対無いし、奪い取ろうものなら、自分自身を守る為に貴女自身が殺されるに決まってるでしょ?

かといって、貴女はこのままあの男に一生を飼い殺しでも良いって?

逃げたい気持ちが、あるでしょ?ないとは言わせない。常に葛藤していたじゃない。

私は貴女の中にいたから知っている。

自由になる為には、殺すしかない。食うか食われるか、よ!」

話ながらラセツは近付き、両肩をガタガタと幼女とは思えない力で揺さぶりながら、目の前で力説している。

逃げられないなら、殺すしか、ない?

「そうよ、貴女あの鬼に一生飼い殺しされたいの?!生ける人形と変わらないじゃない!」

飼い殺し。生ける人形。

見えない何かにズタズタにされていく。でも全て間違ってもいない。

好き。でも永久には居られない。でも一緒に居たい。でも一生あの場所にいる・・・事を覚悟出来ては、いない。

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