contract
第2章 case1 【貴方ハ誰?】
この学園の高等部に入学し、学校自体にも、寮生活にも慣れた7月。
一つ、違和感に気が付いた。
同じクラスの的場君がいなくなって、数日経つのに、クラスメイトも、教科担当の先生も、担任さえ、誰も何も触れない。
・・・まるで、初めからいなかったかのよう。
「藤沢さん、どうしたの?」
前の席の金本さんが声をかけてきたから「的場君って知ってる?」って聞いてみたけど、
「知らない。的場君ってどこのクラス?」って返事で。
的場って名前を憶えている私が不自然なのかな?・・・いたはず、なんだけど。
段々、いたはずの事実すら、間違いだったかもしれない、なんて思えてくる。自信がしぼんでいく。
「・・・変だなぁ」
一つ、違和感に気が付いた。
同じクラスの的場君がいなくなって、数日経つのに、クラスメイトも、教科担当の先生も、担任さえ、誰も何も触れない。
・・・まるで、初めからいなかったかのよう。
「藤沢さん、どうしたの?」
前の席の金本さんが声をかけてきたから「的場君って知ってる?」って聞いてみたけど、
「知らない。的場君ってどこのクラス?」って返事で。
的場って名前を憶えている私が不自然なのかな?・・・いたはず、なんだけど。
段々、いたはずの事実すら、間違いだったかもしれない、なんて思えてくる。自信がしぼんでいく。
「・・・変だなぁ」