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一人ぼっちの姫

第21章 永遠の愛

朝になり、



お別れの日がきた…。





町に残っている何十人もの男が一斉に馬車に乗り込む。



「ルイ様」


キルトも、もちろんその馬車にのっていく。



「キルト…」


「もう行っちゃうのね…」


「着くころはもう昼過ぎだと思いますが…」


「これ、お弁当」


私は大きなバックをキルトに渡す


「ちゃんと食べてね?」


「はい。ありがとうございます」


大事そうにキルトはバックを受け取った。



「ルイ様、貴方といた時間はとても幸せだった。ありがとう」



「…なんだか、もう会えないみたいじゃない…

絶対に、帰って来るんでしょ?」



「はい。

ですから私が帰還した時は、結婚してください」


「ぅん!
結婚するわ!!」


「絶対に幸せにします」


キルトは、服から光ったものを取り出した。


「それ…」


「綺麗でしょう?きっとルイ様によく似合うと思いまして…」


美しく光るそれを、キルトはあたしの指にはめてくれた。


「ありがとう…」



「キルと」



「なんですか?」




「帰ってきたら私のこと[ルイ]って呼んでね?」


「え、名前でですか…」


「当たり前でしょ。

夫婦に、なるんだから…


あと、式も上げたい…」



絶対に、泣かないと思ってたとに、涙は流れ出すと止まってくれない。





「…涙を拭いてください。これは、永遠の別れじゃない。私たちの恋は、まだ終わりませんよ?…」



「…そうねっ」





私達は笑った


笑顔で、送り出したかったから。



男「おーい、出発するぞー!」







「では、…いってきますっ」







「行ってらっしゃい」








馬車が見えなくなるまで、私は手を振り続けた。







日が昇リ始め、





太陽の日差しが差し掛かる。





それは、綺麗すぎて、美しすぎて、残酷だった…。



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