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完熟の森

第12章 寂しい大人

「泣いていいですよ。その代わり酒には逃げないで下さい」


雫の華奢な肩は震えだした。


「千晶君、優し過ぎ…」


僕は優しいからそう言ったのだろうか。


そうしたい自分がいたからではないだろうか。


何故そうしたかったのか分からないが、既に僕にとって雫は放っておけない存在になり始めていたんだと思う。



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