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完熟の森

第13章 花火

「帰る?」


「もう少し一緒にいたい」


理音は僕のシャツの裾を引っ張った。


「理音の家に行く?」


「今日は親がいる」


今日は僕の家も両親揃っているどころか、母方の祖母まで来ている。


「じゃあ、どこ行く?駅前のマックとか?」


理音は首を横に振った。


「どうしたいの?」


理音の顔を覗き込むと上目遣いで僕を見た。


「私、浴衣着れるよ」


ちょっぴりはにかみながら言った。


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