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完熟の森

第13章 花火

理音の胸の上に倒れ込み息を整えていた。


「千晶…好きよ」


理音は呟いた。


「俺も理音が好きだ。ずっと、ずっと好きだよ」


理音の胸の上でそう言ったら、理音は目を瞑りながら、微笑んだ。


なのに一瞬切なく笑う雫が脳裏を掠めた。


僕自身驚いて慌てて掻き消した。


「好きだよ」


僕はもう一度理音に言う。


そしてゆっくり瞼を下ろした。


僕はずっと理音が好きなんだ。


だから終わりなんて考えもしなかった。


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