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完熟の森

第15章 変化

理音の誕生日の一週間前の事だ。


僕達はいつものように理音の部屋で過ごしていた時だった。


僕が理音にキスをしようとしたら、理音が初めて拒んだ。


「どうした?」


「風邪気味なの。調子悪くて」


理音は僕を見なかった。


「分かった。今日は帰るよ。あったかくして寝ろよ」


僕は理音を一度だけ抱き締め、頬にキスをして立ち上がった。


部屋を出る時、理音の顔がちょっと憂鬱そうに見えた。


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