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完熟の森

第1章 プロローグ

「どうしたの?迷子?」


知らないお姉さんがトンネルを覗いて僕に声をかけた。


「違う」


優しそうなお姉さんは制服着てる。


「もう、暗くなるよ。危ないから帰らないと…」


僕は慌ててトンネルから出て辺りを見回した。


こんなに暗くなってる。


どうしよう…。


「ボク、お姉さんがお家まで送ってあげる」


お姉さんはニッコリ笑って、僕の手を握った。


あったかい。


「お家どっち?」


「こっち」


僕はもう片方の手で家の方を指差した。


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