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完熟の森

第20章 恋人 1

試験が近かったから僕はバイトがない日なのに家にいた。


真面目に机に向かって勉強していると、ああ僕って学生なんだよなって思ってしまう。



あの森の中で過ごしていると世の中からドロップアウトして、
幻想の中にいる気分になるんだ。


そこは学校の友達も家族もみんなこの世に居なくて、
居るのは雫と僕だけの世界なんだ。


時間もなくて、ただ雫の肌に触れて雫の温もりだけを感じて、
雫の中で安らいで居心地が良く眠りにつく。


雫は僕の為だけに存在しているような気がしてくる。


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