テキストサイズ

完熟の森

第39章 甘える雫

「千晶も大人になっちゃうのね…」


ポツリと呟いた。


「早く、大人になって欲しいだろ?」


「…うん、千晶と一緒にお酒飲みたい」


「それだけ?」


「千晶の運転でドライブに連れて行って欲しい」


「そうだなチャリじゃ遠くに行けないな」


「それから…千晶に旅行に連れて行ってもらって」


「うん…」


「それから千晶のお金で凄いご馳走食べて…それから…それから…」


雫は何故か泣いた。

小さく肩を震わせて僕の胸で泣いていた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ