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完熟の森

第42章 ハタチの僕

父さんが東京に出張で、初めて僕のアパートに泊まる事になった。


アパートの近くの飲み屋で夕食がてら、親子で酒を交わした。


「千晶と飲むなんて初めてだな」


父さんは目を細めて嬉しそうに中ジョッキの生ビールを飲んだ。


「そうだね」


僕も同じものを飲んでいた。


「大学はどうだ?」


「順調だよ。大変だけど、楽しい」


「なによりだ」


父さんが煙草に火を着けて煙を出した時、父さんの昔聞いた恋の話を思い出した。


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