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完熟の森

第6章 家の主

もうその話しはしたくなかったので話題を変えようかと思い、立ち上がり本棚を見渡した。


「凄い本の数ですね」


「気に入ったのあったら貸してあげるわよ」


女性はそう言ってくれた。


「ねえ、君名前は?」


「千晶…新堂 千晶(シンドウ チアキ)です」


僕は女性を見て名乗った。


女性は僕に近づいて、


「私、雫(シズク)。宜しくね」


とニッコリ笑った。


僕は近くで見た雫の魅力にドキッとした。


濃厚な甘い香りは雫が放っていた。


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