テキストサイズ

ガーディスト~君ヲ守ル~

第12章 慈愛

クククッと祐司は肩を震わせながら笑った。




「目覚めさせるもんか…そんなことボクが許さ…な……」




そこまで喋り、突然祐司の頭がうなだれる。




「……祐司?」




返事がない。
護はもう一度、祐司の名を呼んだ。




ピクンッと体が反応する。
祐司はゆっくりと顔を上げた。




「…護先輩…」




祐司は、真っ直ぐに護を見た。




「…祐司か?マジで祐司か?」




「…はい、起こしてくれてありがとうございます」




祐司はニコッと微笑した。




「お…おせぇんだよ、バカ!!」




護も照れながら微笑する。




「待ってましたよ、祐司くん」




圭吾は腕を解放し、優しく微笑した。




「迷惑かけてしまって、すみません…」




3人は顔を見合わせた。




そして祐司は、部屋の隅にいるつぐみに顔を向ける。




「東さん…」




祐司は右足を引きずりながら、つぐみのもとに歩み寄った。




「村上さん、動いちゃダメです…!」




祐司は首を横に振った。
そして、




「東さん…俺のせいで、あなたを巻き込んでしまって、すみませんでした…怖い思いもさせてしまったと思います…あなたを守れなくて…本当にすみません…」




深く頭を下げた。




「…そんな…謝らないでくださいっ…私は十分に、村上さんに守ってもらってます!それに…」




そこまで言いかけて、つぐみは祐司の後ろに立っている圭吾に目を向ける。




圭吾は優しく微笑していた。




「…私は、大丈夫です」




私を守ってくれる人がいるから…。









ストーリーメニュー

TOPTOPへ