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ガーディスト~君ヲ守ル~

第12章 慈愛




その頃、直樹とつばきは一階のロビーにいた。




長椅子につばきを寝かせ、直樹は辺りを見回していた。




(警察も呼んだし、きっと大丈夫だ…)




直樹はホッと息をつき、つばきの隣に座った。




(無事で良かった…)




直樹はつばきの頬にそっと手を添えた。




(それにしても…あの男…村上と言ったっけ…。最初に会った時と随分印象が違った。なぜあんなことをしたんだ?それに途中で、つばきを助けたようにも見えた…)




そんなことを考えていると、遠くの方で銃声の音がした。
ビクッと直樹の体が反応する。




(なんだ…?警察が撃ったのか?)




なんとなくここにいるのも危険な気がする…
そう思った直樹は、再び移動しようとした。




その時、微かにつばきの唇が動く。




「…お…に…ちゃん……」




「…つばき!?」




目を見張る直樹。
つばきの瞼はピクピクと痙攣した後、ゆっくりと開かれた。




「つばき!!」




「…お兄ちゃん…」




つばきは弱々しく微笑した。




「お願いが…あるの…」




「え?」






「ゆーじを…助けたいの……」





つばきの瞳から、一粒の涙がこぼれた。










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