平和のために
第5章 疼貴が豹変
ガクン
歩くのが困難になってきた
全身汗だくで
壁に手をつくのが精一杯だ
やめて
これ以上入って来ないで!!
ハァ、ハァ
『…ならば、私はあなたを
タケと呼びましょう』
…タケ?
タケって…
「…っ!!!」
廊下の向こうで
誰かが私を呼んだ
「あ…ぁ…」
苦しい…
もうダメだ
立っていられない
その瞬間私は膝から崩れた
意識が薄れていく中で
衝撃を感じなかったのは
目の前にいた誰かが
支えてくれたからだろう
――――…
「だから言ったでしょ
リスクが高すぎるって」
「わかってるよ…姐さん
しっかり止めたって
言ってるだろ…―――」