
平和のために
第6章 目覚め
「…拓哉」
ベッドから体を起こす
「もう頭は痛くない?」
その言葉でさっきの一連を
思い出す
不思議と心は落ち着いていた
「うん、
さっきはその…ごめん」
「…?
…あぁ、もう忘れたよ」
「…本当にごめん」
拓哉は優しいな
「いいって、いいって
ほら、顔あげろよ?」
そう言われて顔をあげると
拓哉の顔がすぐそこにあった
「あ…」
ギシ…
拓哉はベッドに手をついて
私を見ている
ちょっ…
さすがに拒絶したことを
謝った矢先に
拒絶する訳にもいかないから
硬直してしまう
