トライアングル・ラブ -素直になれなくて-
第1章 プロローグ
「裕也!」
そう笑顔で俺の名前を呼ぶお前。
いつからだろう。
その笑顔を愛おしく感じるようになったのは。
アイツが俺に質問してくるたび、「お前ってバカだよね。」って俺は言う。
ちょっとしょんぼりした顔が見たいから。
俺の机に寄ってくるお前に、「近づくな。」って言った。
もっと、ずっと側にいてほしくなっちゃうから。
俺に笑顔で話しかけてくるお前に「お前の声うるさい。黙って。」って言った。
お前の声は可愛らしいから、他のヤツに聞かせたくないんだ。
素直になんか言えない。
言えるはずない。