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わたし色の花

第53章 蛍の橋


もう二度と誰かに
焦がれたりしないと誓った私は
何処(いずこ)へ行ってしまわれたのかは
解らないけれど

あの人のあのぬくもりに焦がれる私が
確かに此処に居ます


去った人を忘れられず
去られた自分に酔うことしか出来ず

ただこの痛みと共に
自分が消えることだけを望んでいました


「枯れるほど泣いた君は 可哀想なんかじゃない」と
言ったあの人のせいで
私は弱くなったの

嗚呼…

あの蛍の橋で
あの人に逢いたい





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