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第1章 リセット

気がつくとあの場所にいた。目の前にはあの男が立っている。
 今度こそ、ちゃんと返そう。あんな目に会うのはたくさんだ、スイッチを手に取り差し出した。
「約束通り、ちゃんと返します。」
男は手を払いのけた。

「許しませんよ」

左胸に激痛が走る。血が滲み、目が霞んでいく。
 男の顔はあの時の、何度も見たあの顔になっている。薄れゆく意識の中、あのおぞましい笑い声が頭に響いた。

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